日本人が大切にしてきた「旬」

日本には「旬」という素敵な言葉があります。

他の国にもその言葉にあたるような表現があるのでしょうか。シーズンというのと「旬」とはちょっと違う気がします。野菜、魚、果実などが出盛りになる時期で味も一番おいしい時です。


今年はあしたやでもたくさんの筍が入荷しました。筍はまさに竹冠(たけかんむり)に旬(しゅん)と書きます。出始めの小さく柔らかなものからどっしりと大きく育ち、あっという間に店頭からなくなる。それが旬と言えばわかりやすいですね。季節ごとに待ち望む楽しみは昔から変わらずにあります。


夏の果菜類は暑い時期に食べることで体を冷やしてくれる作用があります。寒い時期には根菜類が体を温めてくれます。今では通年、季節外れでもスーパーなどになんでも並ぶ野菜ですが、あしたや店頭では冬にキュウリやトマトは並びません。ハウス栽培などで石油を使って自然から離れた栽培法の野菜は扱っていないからです。


野菜は種まきしてから芽を出し小さな状態から食べ頃になるまでの成長過程があります。間引き菜もその一つです。小さな間引き大根や葉付き人参があしたや店頭に並ぶのは生産者と直につながっている特典と言えるかも知れません。また“端境期”という野菜が途切れがちな時期もあります。だからこそ旬を待ち望む気分にもなるのでしょうか。


魚でいえば秋刀魚の季節は文字通り秋ですが、あしたやでは冷凍で販売しています。冷凍技術の発展の恩恵ですが、これも一番の盛りである旬の時に漁をしたものが中心です。

鮮魚は毎月第二火曜日にあしたや店内で販売する魚屋くりちゃんの魚をお楽しみください。数は少ないですが、その日に市場で仕入れたものが並びます


日本人が大切にしてきた「旬」。一番美味しく食べられる時、またたくさんとれる時なので価格も安くなります。何より体にとって自然の理にかなっている食材を上手にとりたいものです。

関連記事

すべて表示

11月となります。季節は確実に移ろい、清澄な空気は秋の深まりを教えてくれます。 今回は「お米」について考えてみたいと思います。 日本の食料自給率が38%という低さの中で、お米の自給率はほぼ100%で、我が国の食料自給率に占める割合も大きいのです。 ウクライナの問題で大きく取りざたされてきた食料安全保障についても、食料を輸入に頼る日本に住む私たちを直撃している円安での値上げの問題などを考えても、生き

殺菌 除菌 滅菌 無菌…言葉もいろいろあるけれど、私たち生き物とは密接につながっています。 新型コロナ感染症が確認されてから2年半以上が経ちました。次々と変異して生き延びているコロナウイルスですが、除菌、殺菌という言葉が本当に日常的になりました。 私たちの身近に無数にありながら、ウイルスも菌も目には見えない微生物です。微生物とはカビ、酵母、細菌、ウイルスなどの総称です。人間誕生よりずっと前の太古の

今年の夏も本当に厳しい暑さが続きました。涼風が吹いてくる季節が待ち遠しいですね。 年々地球全体の気温が上昇して温暖化を嫌でも実感させられます。それに伴い自然災害も多発しています。大雨や干ばつなど環境の変化は地球上に住むすべての生き物に影響を及ぼしています。 とりわけ農業は気候の変化に大きく左右されます。私たちが生きていくうえで欠かすことのできない農産物が地球温暖化で影響を受けていくことは見過ごせな